住職になりたての頃、仏足石の存在を知りました。不思議に思いました。仏様を拝む時は、お顔やお身体に拝むのに、なぜ足の裏を。一番目に付かず一番汚れるであろう足の裏です。でも考えてみれば、人は一歩一歩足で歩くしかないのです。そしてお釈迦さまが巡られたであろう足跡を拝ませていだだく。仏教の格好にとらわれない、大らかな自由さと深淵さとに打たれ奉安してしまいました。
44才白血病で一期を終えた娘さんへの供養として外護をいただきました。
仏足跡はインド初期仏教の信仰形態だそうです。最初は仏像を作らず、お釈迦様の足跡とか、菩提樹などをお釈迦さまとして拝んだそうです。
仏伝に寄ると、お釈迦さま。お身体は、金色に輝き、身丈16尺5m弱、足67㎝と。足の上に、大きなお釈迦さまが立っておられるごとく、手前の宝輪に額を着けて、拝みます。小さな虫たちも、仏足跡に入ると、外敵に襲われることなく、平安が訪れると仏伝は伝えています。
石の重さ4t。ブッダガヤの仏足石を模し.中の紋様は、通例の模様を彫り込みました。平成4年、奉安時に、歌を納めました。
「人はどこかでつながっている こころは いつかよいあっている」
見えないところで見えないものに支えられている。