枝に葉がなくなりました。
でも、一風でどこからともなく落ち葉が溜まります。
二昔も前でしょうか。
雪解け後の道路を涅槃托鉢のおり、
高齢の方が道路傍を小さな箒で掃き掃除、
ゴミも見えないのに?
冬溜まった芥を擦るようにしておられた。
通り過ぎ、次の家に立つと、
先ほどの方が私の脇を通り、そっと家の中に,
お待たせしましたと、托鉢浄財を。
その柔らかい物腰が忘れられません。
毎年托鉢の折りにお会いできるのが楽しみになりました。
でも数年すると、
玄関前には落ち葉が、
戸には鍵が。
どうされたのかわかりません。
でもその方の余香は今も香り高く蘇ります。
その方から学びました。
家(お寺)の前の道路を掃除することを。
そして掃く度にその時の情景が。
その方は今も私の中に生き続けておられます。
掃き目の跡は美しく、
気持を爽快にしてくれます。
至福です。