



12日観音日托鉢。
歩くと見える。
麦秋近く、麦は黄金色になりつつ。
早稲中稲の苗は少し力強く。
晩稲田はまだまさに水田。
托鉢の歩みを畦に止めかがんで見れば、
田の苗の間に水すましなど小さき虫の泳ぐ姿。
見える見える。
姿は見えねども空では鳥の囀り、
道路は先を急ぐ車や学生の自転車、
人の朝の営みの姿。
止まらなければ見えない。
止まると見える。
鉢の子に
すみれたむぽぽ
こきまぜて
三世の仏に
たてまつりてな
良寛さんも托鉢の足を止め、畦で一服なされたか。
悠久のみ仏に包まれて。